Android Dev Phone 1ファームウェアアップデート
こんにちは。久富といいます。
株式会社ゆめみには「大人の自由研究」という制度がありまして、勤務時間の10%を自分の好きな研究に使っても良い制度があります。私はその制度でAndroidを触ってみようと思い、色々と試行錯誤しているところです。
今回の私の記事は、Android Dev Phone 1のファームウェアアップデートの実際をお伝えしようと思います。
ご存知かと思いますが、Androidというプラットフォーム自体の現時点(2009/03/25)での最新バージョンは1.1です。ところが2009年1月頃に輸入した手元のAndroid Dev Phone 1のバージョンは1.0になっています。今回はこれを無事に1.1にアップデートさせることに挑戦してみます。
なぜファームウェアをアップデートしなければならないか、ですが、GoogleやHTCのサイトにも書かれているとおり、テストのためというのが一番大きな理由です。Android 1.1のAPIを使って開発したアプリケーションはAndroid 1.1が載った端末でテストしなければなりません。さらに、Android 1.0向けに開発した場合、Android 1.0でも1.1でも動くかどうかを確認する必要があります。それらのファームウェアの数だけ端末を用意するのは現実的でないので、ひとつの端末のファームウェアを書き換えてテストすれば良い、というわけです。今までの日本の端末のアプリ開発ではこのような柔軟なファームの書き換えはサポートされていなかったように思います。こんなところにもAndroidがオープンな一面が現れていると思います。
その他、端末にいろんなことを試していてにっちもさっちもいかなくなったときなど、こうやってファームを書き直せば必ず直ります。これはアプリを開発する立場の者にとってとっても助かります。環境依存のトラブルなどを切り分けることができるからです。
具体的な方法はHTCのサイトに載っていますのでそれに従って行います。なお、以降の作業はAndroid SDKがインストールされていることを前提に進めます。まだAndroid SDKをインストールしていない方は、Googleのページを参考に入れてみてください。リクエストが多ければインストールの方法も記事にします。ご感想を是非コメント欄にご記入ください。
HTCのサイトよりバイナリを落とす
まずはHTCのサイトよりバイナリを落としましょう。サイトにてリンクが設定されている以下の3ファイルを落としてください。
- fastboot
- signed-dream_devphone-img-130444.zip
- ota-radio-1_22_14_11.zip
fastbootはお使いのマシンのOSにあったものを落としてください。Androidのソースを自前でコンパイルしている人は、すでに<ビルドしたディレクトリ>/out/host/<プラットフォーム>/bin/に入っていると思います。
無線のファームウェアを更新する
HTCのサイトには繰り返し、「Androidのシステム・イメージのバージョンは無線のファームウェアと相互に依存しているので、システム・イメージをバージョンアップしたければ、必ず無線のファームウェアも同じバージョンにすること」と書いてあります。指示通り、無線のファームを入れましょう。
- Android Dev PhoneにSDカードが入っていることを確認します。普通は買った当初から1GBのmicroSDカードが最初から入っていると思いますが、念のため確認しましょう。
- 端末をUSBでつなぎます。
- adbで端末を確認します。コマンドラインからadb devicesと打ちます。
- adbでイメージを転送します。コマンドラインからadb push イメージファイル名 /sdcard/update.zipと打ちます。転送には数分かかるようで、しばらく待ちましょう。
- 端末をリカバリーモードで再起動します。ホームボタン(電話かけるボタンの右、白い家のアイコン)を押しながら端末を再起動します。
- !マークが出たら、altキーと小文字のl(エル)を同時に押します。
- 次にaltキーと小文字のsを同時に押します。
- 次にホームボタン(電話かけるボタンの右、白い家のアイコン)とバックボタン(電話切るボタンの左、左上に戻る矢印のボタン)を同時に押します。
- 端末が再起動して、イメージが書き込まれます。
文書で書くとどの段階でどれぐらいの時間がかかるのか分かりづらいので、動画にしました。
システム・イメージを転送する
次に、システムイメージを転送してインストールしましょう。
- 端末をfastbootモードで起動します。バックボタン(電話切るボタンの左、左上に戻る矢印のボタン)を押しながら起動します。
- コマンドラインで$ fastboot update システムイメージのファイル名.zip -wと叩きます。
なお、Windows側でAndroidを過去にUSBマス・ストレージ・クラスのデバイスとして扱った場合、fastbootが端末を見つけられません。この場合、デバイスマネージャーでUSBハブの下にあるUSBマス・ストレージ・クラスの端末を削除して、新たにデバイスドライバをSDK同梱のものに更新してください。
端末はきれいさっぱり初期化されていますので、またSIMカードを入れてセットアップが必要です。ネットワークにmoperaをお使いの場合は、Setting > Wireless Controls > Mobile Network > Access Point Names にてメニューよりNew APNを選び、あとは最初に設定したときと同じようにAPNにmopera.netと入力し、ID・パスワードを入力すればokです。
それではまたお会いしましょう!
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